ハロー効果とは?恋愛と仕事は先入観とギャップを味方にする
ハロー効果とは、何か?恋愛やビジネスで大きな影響を持つハロー効果を解説していきます。人間関係が上手くいかないと悩んでいませんか?もしかしたら、このハロー効果の影響かもしれませんよ。
ハロー効果とは
ハロー効果(hello effect)とは、後光効果、光背効果とも呼ばれ、1920年にアメリカの心理学者ソーンダイクが提唱した心理学の造語です。
見た目や学歴、肩書きなど、1つの目立つ特徴によって、人物全体に対する評価が印象づけられる心理的な効果のことで、ポジティブにもネガティブな印象にも両方向に働きます。
1つの要素でも全体的な印象に影響するハロー効果
人の印象というのは、1つの要素で大きく変わってしまうことがあります。例えば、相手の出身校が一流有名大学だったり、勤めている会社が超一流有名大手企業だったりしたらどうでしょうか?
「頭良さそうだな」「仕事できそうだな」「将来有望そうだな」「頭良さそうだな」「育ちが良さそうだな」など、無意識のうちに高く評価してしまい、全体的にも良い印象になります。
ですが、逆にネガティブな印象を与えることもあります。例えば、就職しても3か月ぐらいですぐ転職してしまうし、離婚歴が10回もあるバツ10の人という情報を最初に与えられたら、どうでしょうか?
「飽き性」「忍耐力がない」「いい加減で性格悪そう」「私生活もだらしなさそう」など、相手がマイナスな面を1つでも持っているだけで、全体的な印象を下げてしまうこともあるのです。
このようにポジティブに働くハロー効果を【ポジティブハロー効果】、ネガティブに働くハロー効果を【ネガティブハロー効果】と呼びます。
ハロー効果の先入観とギャップ
いかに人が先入観とギャップに影響されているか?ハロー効果で有名な【印象形成実験】という実験をご紹介しておきましょう。
アッシュの【印象形成実験】
被験者に人物Aと人物Bの特徴を列挙した紙を見せます。
人物Aの特徴⇒【知的】【敏腕】【勤勉】【温かい】【テキパキ】【現実的】【注意深い】
人物Bの特徴⇒【知的】【敏腕】【勤勉】【冷たい】【テキパキ】【現実的】【注意深い】
どうでしょうか?この2人の人物を見比べてみたときに、どのような印象を持つでしょうか?2人の違いは【温かい】【冷たい】のたった一つだけですが、その1つだけで人物2人の全体の印象が変わってしまいます。
さらに、もう一つの実験をご紹介しておきます。
人物Aの特徴⇒【知的】【勤勉】【強力】【非難的】【頑固】【嫉妬深い】
人物Bの特徴⇒【嫉妬深い】【頑固】【非難的】【強力】【勤勉】【知的】
人物AとBにどのような印象を抱きますか?実はこの2人の人物の違いはなく、特徴の並べ方を変えただけです。
実験では、人物Aのイメージは【欠点はあるが能力はある】、人物Bのイメージは【能力はあるが残念な人】という結果になってしまいました。
どんな印象を最初に与えられるか?第一印象で、相手への評価が変わってしまうということが証明された実験です。
初頭効果の記事でも解説したように、対人関係において第一印象は、とても重要です。ハロー効果は第一印象でも大きく影響しているのです。
その第一印象で、1つでも目立つ印象があると、その1つだけで全体的な印象を持たれてしまいます。
このハロー効果が証明することは、人とは先入観を持って相手に接していて、その先入観を覆すギャップにも、大きく影響されてしまうと言えます。
例えば、あまり顔に自信がない男性でも、ファッションや髪型がセンス良く、身体も鍛えていれば、雰囲気イケメンでモテたりします。
女性の場合も同じです。姿勢が良く、女性らしい所作で、声や喋り方がかわいいと、上品でかわいい!と男性からモテてしまいます。
また、仕事中はぶっきらぼうな喋り方で冷たい印象だったのに、一緒にごはんを食べに行ったら、愚痴を嫌な顔一つせず共感してくれたり、とても親身に相談に乗ってくれると、ハロー効果はポジティブに作用します。
逆に、仕事中はテキパキしていて、スーツ姿も凛々しくてカッコイイ印象だったのに、プライベートで会ったら、私服がダサくてガッカリというのも、ハロー効果がネガティブに作用したものです。
身だしなみや学歴、収入はもちろんのこと、スポーツが得意か?不得意か?見た目、姿勢や動作、話し方、恋愛や仕事でもハロー効果は強く作用するのです。
ハロー効果を上手に活用するには
ハロー効果を上手に活用するためには、第一印象でインパクトのある特徴をアピールできるか?また、どういう順番でアピールするか?がポイントです。
たとえば、就職の面接や出会い系のパーティーでは、短い時間の応対で、相手を判別しなければなりません。ですので、目立つ特徴で相手の能力や魅力を判断しようとします。
学歴や語学、資格などのスキル、収入、過去の実績や恋愛経験などをわかりやすく簡潔に証明し、いかに短い時間でポジティブハロー効果をもたらせるかどうか?が勝負です。
何もなければ、見た目だけでも最大限の清潔感を演出したり、見た目を整えることが大事です。何か1つだけでもいいので、目立つように特徴をアピールするのです。
また、順番も大事です。第一印象で控え目にアピールしておいて、あとから目立つ特徴をさりげなくアピールすれば、ギャップがあり、普通にアピールするより魅力的に感じます。
逆に、あとから悪い特徴を知られてしまうと、マイナスのギャップが働き、がっかりさせてしまいます。好感度の高いタレントが、不倫で一気にイメージダウンしてしまうのも、マイナスのギャップなのです。
誰にでも短所、長所があります。長所ならどうやって目立つようにするのか?短所なら、どの時点で知ってもらうのか?アピールの仕方次第で、ポジティブにもネガティブにもなり得るのです。