単純接触効果とは?恋愛や職場でマイナスな印象なら逆効果

単純接触効果とは?恋愛や職場でマイナスな印象な人でもたくさん会えば好きになる!?それとも逆効果になるのか?

 

初対面の人といきなり意気投合することもありますが、ほとんどの場合は、何度か会うことで、徐々に仲良くなっていきます。

 

これは単純接触の効果が心理的に働いているからです。人間の心理は日常的に何度も顔を合わせている人に対して、好意を抱きやすくなるのです。

 

ここでは、単純接触効果がどのような実験に基づいて実証されたのか?具体的にどういう状況で効果があるのか?どういう状況だと逆効果なのか?を解説していきます。

 

 

単純接触効果とは

 

単純接触効果とは、アメリカの社会心理学者ザイアンスが提唱した心理的法則です。特定の刺激に繰り返し接触するだけで、その刺激に対する好感度が上昇することで、「単純接触の原理」「ザイアンスの法則」ともいいます。

 

人が名前、音、写真など、ある刺激オブジェクトに繰り返し接触した結果、それに対する選好や行為が造花することを示す現象
※『APA心理学大辞典』より

 

ある刺激を繰り返し提示されると、そうでない刺激よりも好意を抱くようになる現象のこと
※『誠信心理学辞典「新版」』より

 

ざっくり一言で言うと【何度も見ると好きになる現象】【何度も見るだけで好きになる現象】のことです。

 

単純接触効果の実験

 

単純接触効果は、アメリカの社会心理学者ザイアンスが、1968年に発表した論文の中で行った実験で実証されました。どのような実験だったのか?

 

  1. 実験参加者は、見知らぬ人の顔写真を1〜25回見せられますが、顔写真によって見せられる回数を変える。
  2. 2回しか見せられない顔写真もあれば、あるときは20回も見せられる顔写真もあります。最小で1回、最大で25回見せられる。
  3. 顔写真を見せられたあと、顔写真に対する好ましさを「悪い」から「良い」までの7段階で評価。

単純接触効果の実験

 

この実験の結果、事前に見た回数が多いほど、好感度が高くなっていました。ちなみに上図の0回というのは、初めてみた顔写真ということです。

 

何度か見た顔写真より、初めてみる顔写真のほうが好感度は低いので、やはり初対面では好感度が低く、何度か接していく中で好感度が上がっていくことが実証されていますね。

 

ゴミ袋男の実験

 

何度も目にしたものは、好感度が上がる。この現象を証明しようとしたザイアンスは、論文の中で、ある教師が行ったゴミ袋男の実験を紹介しています。

 

ある教師はゴミ袋を被った男性を決まった曜日の授業に出席させ、学生の反応を調べました。最初は敵意や恐怖を感じていた学生たちは、ゴミ袋男を遠巻きに見るだけでした。

 

しかし、しばらくすると学生たちに好奇心が芽生えてきます。話しかける者が現れ、ゴミ袋男との交流が生まれ、そしていつしか友情らしきものまで見られるようになりました。

 

ザイアンスは、このエピソードから、人や物を繰り返し見ることで、その人や物への好感度が上がるのではないか?と考えました。

 

しかし、これだけでは単純接触による効果といえないと思ったザイアンスは、トルコ語や漢字、見ず知らずの人の写真を使って、目にした頻度による好感度を測り、理論を証明したのです。

 

日常生活で見られる単純接触効果の事例

 

単純接触効果が働いている事例は、あなたの日常生活の中にもたくさんあります。

 

  • よく見るCMや広告の商品を試したくなる
  • よく行くコンビニやカフェの店員さんに好意を持つ
  • 学校や会社で隣の席の人に好意を持つ

 

また、人の顔だけでなく、音楽、景色、文字、味、においなどにも、単純接触の効果は働きます。

 

なぜ、単純接触効果で好感度が上がるのか?

 

単純接触効果で、なぜ好感度が上がるのか?というと、知覚的流暢性による説明が有力とされています。

 

知覚的流暢性での説明では、繰り返し接触することによって、流暢にストレスなく認識できるようになるので、好ましいものだと錯覚してしまうのでは?と説明されています。

 

ちなみに、このような「ある物事の原因を何か間違ったことに錯覚して求めてしまう」ことを心理学では「誤帰属」といいます。

 

例えば、「烏」と「鴉」という漢字は、どちらも「からす」と読みますが、もしこの2つの漢字で「どちらの漢字が好きか?」と聞かれると、「烏」という漢字のほうが、好感度が高くなる可能性があります。

 

なぜかというと、恐らく多くの人が「鴉」より「烏」という漢字のほうが、よく見たことがあると思います。ですから、流暢にストレスなく「からす」という漢字と認識出来るからです。

 

「鴉」という漢字は「この漢字なんて読むんだっけ?」と、認識するのに、ある程度時間がかかってしまい、ストレスがかかってしまうでしょう。

 

「マクドナルド」と「聞いたことも見たこともないハンバーガー店」であれば、マクドナルドのほうでハンバーガーを買う人の方が多いと思います。

 

このように誤帰属という心理で、「子供のころからテレビや出かけたときに、何度もみたことがあるから好きになる」のではなく、「それを気に入っているからだ」と勘違いしてしまうのです。

 

この誤帰属という心理が働き、ストレスなく認識できたことの理由を「何度も見たことがあるから」ではなく、「その対象が好きだからだ」と勘違いしてしまうというのが、知覚的流暢性による説明です。

 

単純接触の効果がもっとも強く働く条件と逆効果になる条件とは

 

単純接触効果がもっとも強く働くときというのは、【その対象に無意識に何度も接触しているとき】です。意識的に接触されているときよりも、意識的に気づかない場合にもっとも強く効果が働きます。

 

また、注意しておかないといけないのが、その接触している対象のことが元々嫌いだと、単純接触効果は逆効果になります。好きになるどころか、どんどん嫌いになってしまうのです。

 

恋愛やビジネスで第一印象が悪いままだったり、嫌われてしまったまま接触を続けてしまうと、会えば会うほどどんどん嫌われてしまうことになります。

 

単純接触効果で好感度が上がる条件とは、好きでも嫌いでもないフラットな状態、もしくはもともと好印象だったという条件の元に、好感度が上がります。

 

熟知性の原理

 

単純に接触するだけでなく、対象のことを知れば知るほど好感度が上がる現象もあります。この現象を【ザイアンスの熟知性の原理】といい、恋愛やビジネスなどで応用されています。

 

小説に作者のプロフィールが載っていたり、SNSを活用する企業が多いのも、この熟知性の原理を狙ったものです。

 

特に恋愛やビジネスでは、単純接触効果だけで好感度を上げるのは、難しい場合が多いです。熟知性の原理も活用しながら、相手にアピールすることで、より好感度を上げることに繋がるのです。

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